【山椒の基礎知識】種類、選び方、栄養、レシピ、保存方法まで

山椒とは＜ジャパニーズペッパー＞

山椒は、その独特の風味で日本料理に欠かせない存在です。ミカン科の植物である山椒は、日本をはじめとする東アジアが原産地であり、「ジャパニーズペッパー」とも称されます。山椒の魅力は、そのピリッとした辛さと清涼感のある香りにありますが、それぞれの部位によって異なる味わいを楽しむことができます。

実山椒＜みさんしょう＞

実山椒（みさんしょう）は、山椒の成熟した実で、その辛味と香りは、料理に深い味わいをもたらします。実山椒は、佃煮や煮物、さらには漬物など、多岐にわたる料理に利用されます。その独特の風味は、日本料理の伝統的な味を際立たせる要素となっています。

花山椒＜≠花椒（かしょう、ホワジャオ）＞

花山椒は、山椒の雄株から摘まれる花のつぼみで、辛味が少なく、優しい香りが特徴です。これは、中国の四川料理で使われる「花椒（ホアジャオ）」とは異なります。花椒は、その麻痺するような辛味と香りで知られ、麻婆豆腐などの四川料理に不可欠なスパイスです。これら二つのスパイスは、同じく辛味を持つものの、その使用法と効果は大きく異なります。

葉山椒（はさんしょう）＜＝木の芽＞

葉山椒は、春の訪れと共に収穫される山椒の若葉で、和食では「木の芽」としても知られています。これらの新芽は、料理に爽やかな香りを加えるために使われ、辛味は控えめです。

オスとメスの木＜雌雄異株（しゆういしゅ）＞

雌雄異株であるこの植物は、オスとメスの木があり、それぞれに異なる役割を持っています。

メスの木は、サンショウの実をつけることで知られています。この実は、独特のピリッとした辛味が特徴で、多くの料理にアクセントとして加えられます。一方、オスの木は、その葉が非常に香り高いことで価値があります。若葉は、茶碗蒸しや煮物などの料理に香り付けとして使われ、その香りは食事の体験を豊かにします。

実山椒と木の芽＜下準備と保存方法＞

山椒は、日本料理に欠かせないスパイスの一つです。その独特の香りと風味は、多くの料理を引き立てます。ここでは、山椒の下準備と保存方法について、詳しくご紹介します。

実山椒＜みさんしょう＞

実山椒の下準備

山椒の実は、購入後すぐに下準備をすることをお勧めします。これは、時間が経つにつれて色や風味が損なわれるためです。下準備の手順は以下の通りです。

1. 塩ゆでする: 大きめの鍋に水1Lを沸騰させ、塩小さじ1を加えた後、実山椒を加えて約8分間ゆでます。
2. 小枝を取り除く: はさみや手で小枝や軸^※を取り除き、水を2～3回替えながら洗い、ほこりや汚れを落とします。
3. アク抜き: ゆでた実山椒をざるに上げ、30分から1時間程度、水にさらしてアクを抜きます。

※軸部分はお好みですが、残していても舌触りや味を邪魔しません。

実山椒の保存方法＜冷凍保存＞

下準備をした山椒は、適切に保存することで長期間風味を保つことができます。

冷凍保存: 下準備後の実山椒は、キッチンペーパーで水気を取り、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。この方法で約6ヶ月間保存可能です。

葉山椒（木の芽）＜日本料理の香りを守る＞

日本の料理において、葉山椒（木の芽）はその独特な香りで料理を引き立てる重要な役割を果たします。新鮮な葉山椒を長期間保つためには、適切な下準備と保存方法が必要です。ここでは、葉山椒を新鮮な状態で保存するための手順をご紹介します。

葉山椒（木の芽）の下準備（湯通し）

葉山椒を保存する前に、まず湯通しを行います。これにより、葉の色を鮮やかに保ちながら殺菌効果も得られます。沸騰したお湯に葉山椒を入れ、約5秒間湯通しをした後、すぐに冷水で冷やして色止めをします。

1. 水気の除去: 湯通し後、葉山椒の水気をキッチンペーパーで丁寧に拭き取ります。これにより、冷凍保存時に氷結を防ぎ、風味と質感を保つことができます。
2. 冷凍保存: 水気を取り除いた葉山椒をビニール袋に小分けにして冷凍保存します。この方法で保存された葉山椒は、必要な時にいつでも使え、新鮮な香りを楽しむことができます。

※茹で過ぎるとすると香りは無くなります。

水気の除去

湯通し後、葉山椒の水気をキッチンペーパーで丁寧に拭き取ります。これにより、冷凍保存時に氷結を防ぎ、風味と質感を保つことができます。

冷凍保存

水気を取り除いた葉山椒をビニール袋に小分けにして冷凍保存します。この方法で保存された葉山椒は、必要な時にいつでも使え、新鮮な香りを楽しむことができます。

葉山椒（木の芽）の保存方法＜冷凍保存＞

下準備をした山椒は、適切に保存することで長期間風味を保つことができます。

冷凍保存: 下準備後の実山椒は、キッチンペーパーで水気を取り、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。この方法で約6ヶ月間保存可能です。

主な栄養成分と効能

山椒は、その独特の風味とピリッとした辛さで知られるスパイスですが、その健康効果は味覚を刺激する以上のものがあります。日本の伝統的な薬膳料理において重要な役割を果たす山椒には、多くの栄養成分と効能が含まれています。

サンショオールで冷え性対策＜胃腸の機能をサポートする効果も＞

冷え性対策として、山椒に含まれるサンショオールは血行を促進し、新陳代謝を活発にします。これにより、体温の上昇と発汗作用が高まり、冷え性の改善に寄与することができます。特に、女性の健康においては、腹部の血行を良くすることが重要であり、山椒はその一助となるでしょう。

胃腸の機能をサポートする効果も注目されています。消化不良の症状に悩まされることが多い現代人にとって、山椒は内臓の動きを活発にし、消化を助ける働きをします。ストレスや食生活の乱れが原因で起こる胃腸の不調を、山椒の摂取により緩和することが期待されます。

抗酸化作用＜ポリフェノールが豊富＞

抗酸化作用においても、山椒はその力を発揮します。ポリフェノールを豊富に含む山椒は、活性酸素を除去し、細胞の老化を防ぐ効果があります。これにより、免疫力の向上やメラニン色素の生成抑制にも寄与する可能性があります。

カルシウム、マグネシウム、リン＜骨の健康に！＞

骨の健康をサポートする成分も山椒には含まれています。カルシウム、マグネシウム、リンなどのミネラルは、骨の新陳代謝を助け、健康な骨を維持するのに必要です。これらの栄養素は、骨の材料となり、バランスの取れた食事を通じて摂取することが推奨されます。