里芋の全てがここに!八百屋が提供する”里芋”ガイド

里芋の全てがここに!八百屋が提供する”里芋”ガイド

青空市場は、「身体は食べ物でできている」というコンセプトに、お客様に最高の食材を提供することを目指しています。私たちは、旬の野菜や果物が最も美味しい時期を知るためのカレンダーや、自然栽培された農産物や旬の農産物に関する詳細な記事を通じて、お客様の健康と満足をサポートします。また、私たちは農産物を独自に評価し、一覧表を作成しています。これにより、お客様が新しいお気に入りの味を発見する旅をサポートします。

種類・特徴の早見表<チャート>

以下は、各里芋の品種とそれぞれのねっとり感を5段階で評価したチャートです。なお、この評価は青空市場独自の評価であり、個々の里芋の状態や調理方法により異なる場合があります。

里芋の品種ねっとり度(5段階評価)
石川早生⭐⭐⭐☆☆
砂里芋⭐⭐⭐⭐☆
セレベス(赤芽)⭐⭐☆☆☆
京芋⭐⭐⭐☆☆
海老芋⭐⭐⭐⭐☆
伊予美人⭐⭐⭐⭐⭐
土垂⭐⭐⭐⭐☆
女早生⭐⭐⭐⭐☆

※おいしさを示す表では、ありません。

知っておきたい!里芋について

日本の食卓に欠かせない食材、里芋。煮物や汁物、揚げ物など、様々な料理に活用できる万能食材です。

実は、里芋にはたくさんの種類があり、それぞれに特徴や味わいがあります。

知ってる?里芋の親芋と小芋

里芋には、大きく分けて「親芋」と「子芋」の2種類があります。

里芋は、芋(種芋)から芽が生えてそれが新たな芋になります。その芽の中でも一番最初に芽を出した部分を親芋と呼びます。親芋のあとについてくるようにまわりに生えてくる芋の事を小芋、さらに小芋の後に生えてくる芋を孫芋と呼びます。例えば、石川早生砂里芋は親芋として販売されることが多く、土垂女早生は小芋として市場に出回ることが多いです。

青空市場人気!<里芋の品種>

日本の食卓に欠かせない食材、里芋。煮物や汁物、揚げ物など、様々な料理に活用できる万能食材です。

実は、里芋にはたくさんの種類があり、それぞれに特徴や味わいがあります。

石川早生(いしかわわせ)

石川早生は8月から9月頃に収穫される里芋の早生種で、適度な粘りがあり淡白な味わいが特徴です。その食感は、適度な粘りがあり、調理しやすいのが特徴です。

  • 土垂よりも粘りが少なく、あっさりとした味わい
  • ほのかな甘みとシャキシャキとした食感
  • 形は細長い楕円形
  • 皮は薄く、滑らかしている

海老芋(えびいも)

海老芋は反り返った形と表面の縞模様がエビのように見えるのでそう呼ばれるようになりました。もともとは唐芋という品種ですが、土寄せしてエビのように曲げたものを海老芋と呼びます。その食感は、肉質が緻密で煮崩れしにくい。焼いたり揚げたりすると、ホクホクした食感が楽しめます。

  • 粘りが強く、上品な味わい
  • ほっくりとした食感と栗のような甘み
  • 形は細長い楕円形
  • 皮は薄く、滑らかしている

京芋(きょういも)<筍芋(タケノコイモ)>

京いもは、さといもの親芋を食用とする品種で、筍芋(たけのこいも) とも呼ばれています。

京芋は長さが20~40㎝で直径6~7㎝程の細長い形になっており、たけのこと同じように土から頭がでて生えているのでたけのこ芋と呼ばれています。その食感は、ほくほくとした食感が特徴です。

  • 粘りが強く、ほっくりとした食感
  • 上品な甘みと深い味わい
  • 形は丸みを帯びた楕円形
  • 皮は厚く、ゴツゴツとしている

伊予美人(いよびじん)

伊予美人は愛媛県が育成したオリジナルの新品種で、子芋、孫芋専用の品種です。その食感は、粘りが強くて柔らかく、甘みがあり食味良好。

「伊予美人」と「女早生」は異なる品種です。「伊予美人」は愛媛県が「女早生」をもとに選抜育成した新品種で、平成20年2月に「愛媛農試V2号」として登録されました。この品種は、「女早生」に比べて秀品率が高く、収量も多い特徴があります。また、「伊予美人」は白くきめ細やかな肉質で、丸々として形が揃っており、その美しさから「伊予美人」と名付けられました1。食味についても、粘りが強く濃厚な甘みがあり、美味しいと評価されています。

  • 白くきめ細やかな肉質
  • 丸々として形が揃っている
  • 粘りが強く濃厚な甘みがあり

セレベス<赤芽(あかめ)>

セレベスはインドネシアのセレベス島(現スラウェシ島)から伝来し、それが名前の由来となっています。その食感は、ぬめりが少なく、加熱するとホクホクとした食感が楽しめます。

  • 粘りが少なく、あっさりとした味わい
  • ほのかな甘みとシャキシャキとした食感
  • 形は細長い楕円形
  • 皮は薄く、滑らかしている

【番外編】宇宙芋(ソライモ)<エアー・ポテト>

宇宙芋は東南アジア原産のヤマノイモ科の植物で、つるにこぶし大ほどの大きなむかごを実らせるという特徴があります。

形が隕石のように見えることから、「宇宙芋(ソライモ)」と呼ばれています。 一般的に50g~200gの大きさに育ち、大きいものではソフトボール大にもなるものもあります。表皮はカカオのような黒色に近い焦げ茶色をしており斑点があります。ほくほくとした食感で多くのレシピに活用できます。

知っておきたい!その他の里芋の品種

日本の食卓に欠かせない食材、里芋。煮物や汁物、揚げ物など、様々な料理に活用できる万能食材です。

実は、里芋にはたくさんの種類があり、それぞれに特徴や味わいがあります。

土垂(どだれ)

土垂は主に子いもを食用とする品種で、小ぶりの里芋です。肉質はねっとりとしてやわらかく食味良好。

  • 粘りが強く、煮物や汁物に向いている
  • ほっくりとした食感と優しい甘み
  • 形は丸みを帯びた楕円形
  • 皮は厚く、ゴツゴツとしている

女早生(おんなわせ)

女早生は愛媛県が産地として知られる品種の里芋で、きめ細かな肉質ともっちりとした食感が特徴的。

  • 粘りが強く、土垂よりも甘みがあります
  • ほっくりとした食感と上品な味わい
  • 形は丸みを帯びた楕円形
  • 皮は厚く、ゴツゴつとしている

八つ頭(やつがしら)

八つ頭は里芋の一種で、親芋と子芋が一体化しているのが特徴です。 大きさは500g前後と大きく、一般的な里芋に比べると粘り気は少なめで、里芋の風味と甘味があり煮物に最適です。果肉は粉質で煮物にするとやわらかくてホクホクとした食感になります。

  • 粘りが強く、ほっくりとした食感
  • 上品な甘みと深い味わい
  • 形は丸みを帯びた
  • 皮は厚く、ゴツゴツとしている

【番外編】ずいきとは?<サトイモの葉柄(ようへい)>

ずいきは、サトイモやハスイモなどの葉柄のことを指します。

見た目はフキを太くしたような形をしており、赤い色をした「赤ずいき」、白色の「白ずいき」、そしてハスイモの葉柄である「ハスイモずいき」などがあります。

ずいきは、独特の食感と風味があり、煮物やおひたし、天ぷらなど様々な料理に利用されます。また、ずいきにはビタミンCや食物繊維が豊富に含まれており、健康にも良い食材です。

保存方法

さといもとずいきの保存方法を、紹介します。

里芋の保存方法

常温保存

里芋は常温での保存が基本で、特に秋~初冬の気候は里芋の保存に適しています。洗うと毛に水分が残ってカビが生えやすくなるため、土つきのまま保存しましょう。

  • 常温保存:風通しの良い場所で保存すれば、1週間程度保存できます。

冷蔵保存

家の中に冷暗所がない場合や、里芋が傷みやすい時期は、冷蔵庫の野菜室に保存するとよいでしょう。冷蔵庫内は乾燥しやすく低温障害も起こしやすいため、ビニール袋や新聞紙で里芋を保護してから保存しましょう。

  • 冷蔵庫保存:新聞紙に包んでビニール袋に入れ、野菜室で保存すれば、2週間程度保存できます。

冷凍保存

里芋は冷凍しても食感や味が変わりにくいため、意外にも冷凍保存に向いている野菜です。

  • 冷凍保存:皮をむいて一口大に切り、茹でるか蒸してから冷凍すれば、1ヶ月程度保存できます。

ずいきの保存方法

  • 新聞紙などで包んで冷蔵庫で保存する
  • 保存期間は2~3日

下ごしらえ<よく聞かれる質問>

ずいきは、その独特の食感と栄養価の高さから、多くの人々に愛されている食材です。しかし、ずいきには強いアクが含まれているため、そのまま調理すると苦味が強くなります。そこで今回は、ずいきを美味しく調理するための手順をご紹介します。

  1. ずいきの水洗い:まずはじめに、ずいきを水洗いし、汚れを落とします。
  2. ずいきの皮むき:次に、ずいきの皮をむきます。皮は硬いため、包丁で剥くと良いでしょう。
  3. 再度の水洗い:皮をむいたら、再度水洗いをして、余分な皮や汚れを落とします。
  4. ずいきの切り分け:その後、食べやすい大きさに切り、調理に進みます。
  5. ずいきの酢水への浸漬:ずいきを酢水に十分に浸します。これにより、ずいきのアクが取り除かれます。
  6. ずいきのゆで:最後に、ずいきをゆでます。これで、ずいきの調理が完了し、美味しく頂けます。

主な栄養成分と効能

里芋のねっとり成分とその効能

腸内環境を整える!ガラクタン

里芋のぬめりに含まれる食物繊維の一つで、消化を促進する作用があり、腸内を整えてくれる働きや、血糖値、コレステロール値を下げる働きにも効果があると言われています。

ダイエットの強い味方!グルコマンナン

これも里芋のぬめりに含まれる成分の一つで、水溶性食物繊維で、水に触れると大きく膨張するため、摂取することによって胃の中で膨らみ、満腹感を与えたり便通を改善する効果があるとして、ダイエット食品の原料などに利用されています。

エネルギー源!炭水化物

里芋は主に炭水化物が豊富で、エネルギー源として重要です。炭水化物は体内で分解され、グルコースとなります。これが私たちの体のエネルギー源となります。また、炭水化物は脳のエネルギー源でもあり、脳の機能を維持するためにも必要な栄養素です。

食物繊維でカラダの中からキレイ

里芋には食物繊維が豊富に含まれており、腸の健康維持や消化促進に役立ちます。里芋に含まれる食物繊維の量は100gあたり約2.3gで、そのうち水溶性食物繊維が0.9g、不溶性食物繊維が1.5gです。水溶性食物繊維は、水に溶けることで食べたものの粘稠性を高め、血糖値の上昇をゆるやかにします。一方、不溶性食物繊維は水分を吸って腸の中で大きく膨らみ、排便をスムーズにし、有害物質が体にとどまる時間を短縮させ、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。

イキイキ輝く肌へ!ビタミンC

里芋にはビタミンCが含まれており、免疫力の向上や抗酸化作用に寄与します。里芋100gあたりのビタミンC含有量は約6mgです。ビタミンCは、オレンジ果汁から発見された栄養素で、多くの哺乳類は体内でブドウ糖からビタミンCを合成することが出来るのですが、人など一部の哺乳類は合成に必要な酵素がないためビタミンCを合成できず、食事から摂取しなければなりません。

健康維持の強い味方!ビタミンB群

里芋にはビタミンB1やビタミンB6などのビタミンB群が含まれています。これらはエネルギーの生成を補助し、皮膚や粘膜を丈夫にする働きがあります。また、神経系の健康維持にも役立ちます。特に、ビタミンB1は糖質の代謝を助け、エネルギーを生み出します。ビタミンB6は、たんぱく質の代謝と赤血球の生成を助けます。

まとめ

里芋は、そのユニークなねっとり感と栄養価の高さで、日本の食文化において特別な位置を占めています。ガラクタンやグルコマンナンなどの食物繊維は、腸内環境を整え、ダイエットをサポートするだけでなく、炭水化物が豊富でエネルギー源としても優れています。ビタミンCやB群を含む里芋は、免疫力の向上や肌の健康にも貢献し、私たちの健康維持に欠かせない食材です。その多様な利用方法は、日本の食卓を豊かに彩り続けています。